研修管理者から医学生の方へ
メッセージ
このたびは、数ある臨床研修病院の中から当院に関心を寄せていただき、誠にありがとうございます。2年間にわたる初期臨床研修は、将来進むべき方向性を見定めると同時に、「医師としての自覚」を芽生えさせる大切な期間ですから、医療に関する知識・技術の指導だけでなく、望ましい人格形成や礼節、一生の宝となる仲間づくりまでをサポートしたいと考えています。そして、研修修了後も山口県の医療を支える同志として、末永く繋がりが持てる未来を心から楽しみにしています。
当院の初期臨床研修で身に付けて欲しい2大スキルは、「救急外来での初期対応」と「病棟での全身管理」です。1年目は、入職時オリエンテーションにて、病院理念や各部署の役割、基本業務等を学んでからローテ―トを開始します。当院の研修科の選択肢は幅広く、希望がほぼ通り、自由度の高いプログラムを組めることが歴代の研修医たちから好評です。また、各診療科では指導医が教育の質を担保するため、同時期にローテ―トできる研修医数を制限しており、研修医1名につき指導医1~2名と、非常に手厚い指導体制を取っています。
2年目は、進路を踏まえたローテ―トを指導医と相談して決めることができます。院内の症例カンファレンスでプレゼンテーションの方法を習得することに加えて、アカデミックな能力を身につけるため研修期間中に1 - 2例の学会発表をサポートしています。「臨床教育センター」には電子カルテ、学習用大型モニター、コピー機、多くの参考書などが整っているうえ、山口大学医学部附属図書館と同レベルの文献検索も可能です。「UpToDate」「PubMed」「医学中央雑誌」「今日の診療サポート」を活用しながら論文の吟味、学会スライド作成から発表の予行練習まで、研修医が学会発表・論文作成をするための環境が整っています。
各分野で日本のトップを走る指導医から、質の高い指導を直接受けられる
- 救急外来や入院管理に長けた指導医が多数在籍
- 各診療科で、専門的な診断プロセスや治療内容を直接指導
- 経験豊富な指導医から手技を学べる(心臓・腹部超音波、中心静脈穿刺、腰椎穿刺、胸腔穿刺、挿管、人工呼吸器管理 etc)
- 研修環境は絶えずバージョンアップ研修管理委員会が中心となって、研修医が成長できる指導方法の 向上や教育環境の整備にONE TEAMで取り組んでいます
- 診断学
- 基礎力
アップ - 感染症
レクチャー - 疾患別
レクチャー - スキル研修
- アカデミック
スキル
研修医対象のレクチャー、
技術研修
診断学
臨床推論や症候別のアプローチを学びます
- 外来での診断学!
- バイタルサインから緊急性を見極める!
- 入院患者の発熱にどうアプローチする?
基礎力アップ
病院で働くための基礎を多職種から学びます
- 入院患者の指示簿の書き方
- 看護師が伝える救急外来での働き方!
- 研修医のためのDPC入力の仕方
感染症レクチャー
感染症疾患や抗菌薬について座学と実習を交えて学びます
- 抗菌薬の使い方 −横隔膜より上−
- 染めて解釈するグラム染色!
- 体系的にアプローチする誤嚥性肺炎!
疾患別レクチャー
日常よく診る疾患についても学びます
- 脳血管障害の診断&治療方法 - 基礎編 -
- めまいを徹底的に診断する!
- 蕁麻疹とアナフィラキシーと私
スキル研修
基本的な手技を身につけるため実習を中心に学びます
- 繰り返しやってみよう挿管手技
- エキスパートが教えます!中心静脈穿刺
- 研修医だったら身につけよう心臓エコー
アカデミックスキル
情報検索能力の習得や、学会発表のスキルを学びます
- Up To Dateを使いこなす!
- 分かっているようで分かっていないEBM
- 学会発表の準備の仕方 -良い抄録の書き方-
宇部興産中央病院は山口大学医学部附属病院に近いこともあり定 期的に医学生が臨床実習を学びにくる環境です。指導医から多くの ことを学び、習得をしながら、同時に医学生の実習を指導することで、 教えることで深い理解に繋がることを目的としています。See one、Do one、Teach one(先ずは見て学び、次は自分が行うことで習得し、教 えることで自分の理解を深める)のステップを屋根瓦方式を通じて習 得できる仕組みになっています。
指導力の向上と充実した教育環境の提供を目的に院内に山口大学附属病院臨床教育センターを設置
宇部興産中央病院
初期臨床研修で
経験できること
研修医が実際に1ヶ月で担当した症例
- アルコール依存・離脱症状
- 膿胸MRSA肺炎
- 慢性好酸球性肺炎
- 胃癌
- 心不全
- 誤嚥性肺炎
- 胆石・胆嚢炎
- 肺炎(肺炎球菌)
- 高K血症
- 胸水(肺炎随伴性)
- 失神
- 心房細動
- 市中肺炎
- 敗血症性ショック
- 化膿性脊椎炎
- 足関節捻挫
- 急性前立腺炎
- 高Na血症
- 尿路感染症
- 胸痛
- 腰痛
- ウイルス感染
- 急性心筋梗塞
- 腎性尿崩症
- 高度脱水
- DIHS
- 慢性腎臓病
- 直腸潰瘍
- 伝染性単核球症
- 肺胞出血
- 蜂窩織炎
- 胸水(癌性)
- 低Na血症
- 視床出血
- 髄膜炎
- 肺炎(緑膿菌)
- 偽痛風
- AKI
- めまい(BPPV)
- 高K血症(緊急CHDF)
研修医が実際に1ヶ月で経験した手技
- ポートヒューバー針穿刺2例
- グラム染色 肺炎球菌、ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌
- 挿管・人工呼吸器管理3例
- 心エコー毎日
- CV挿入1例(補助2例)
- 血ガス、血培、動脈採血いっぱい
- 胃管挿入いっぱい
- 運動器エコー2例
- 胸腔穿刺2例
- 腰椎穿刺3例
- Dix hallpike法1例
- 筋膜リリース1例
- 腹部エコー(FAST)1例
- 創傷処置(縫合・ステープラ)1例
この研修で経験できること
週1回の救急外来での全科当直救急の初期対応力が身につきます
週1回の画像診断レクチャー画像診断の精度が向上することで、より正確な診断能力を身につけます
主治医としての役割を経験できます担当患者の治療方針の決定など指導医に相談しながらも診療を主体的に行います
入院~退院 一連の流れを経験できます救急外来→HCU→病棟の管理から、 退院調整まで経験できます
山口大学の教育資源を活用できます宇部興産中央病院に併設された「臨床教育センター」では、山口大学図書館の文献検索も可能で、豊富な教育資源を活用できます
仲間として、ライバルとして切磋琢磨できます同じ目標に向かう研修医が多数在籍しているので、喜びを仲間と分かち合いながら成長できます